組織を強くする技術の伝え方
![]() |
「伝えるもの」ではなく「伝わるもの」という発想が面白い |
「技術の伝達」をテーマにしていますが、
そのじつ、もっと広い意味での「知識の伝達」を扱っています。
なので、ここに書かれていることは技術に限定されることなく、
教育の現場や広告のようなものに至るまで、
あらゆる伝達の場所で使えると思います。
最も興味深いのは、技術を含めた知識は、
「伝えるもの」ではなく「伝わるもの」としている点です。
これをベースに説いている独特の「伝達論」は、
一読の価値があります。
![]() |
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ |
元々、この作者は「失敗学」の権威で、様々な事故の分析なんかをやっている人ですが、そこで、2007年問題(もう今年ですね)で、団塊の世代の技術を如何に若者に伝えるかを解いた1冊。
「技術を伝える」ということは、技術を相手に「わからせる」ということですが、面白いのは、それは基本的に無理、相手が「わかろう」とする状態になっていない「わかる」ことは出来ないというのです。
いきなり不意をつかれた感じですが、
そのために、相手が分かろうとする状態に持っていくことを、様々な見地から説明しています。
・受け入れの素地を相手に作る(基本的な知識を身につけさせる=基本的なテンプレートをインプットする)
・守・破・離が重要(最初は、言われたことを守り、次にそれを破ってみて、言われたことの正しさと間違いを知り、最後にそこを離れることで、自分流の技術となる)
・全体を見せてから、部分を見せる
・伝えるには、文字と、画像、音等の的確な組み合わせが必要
etc...etc...
私は、山本五十六の
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
という言葉を思い出してしまいました。
さらには、常日頃のコミュニケーションが重要であることや、伝えずに消えた方がよい技術もあること、伝わっていく過程で技術や情報が劣化していくことで、失敗や事故が起こること、
技術をわかる、身につけるには「失敗体験」も重要であると言っています。
わかること以上に、伝えるってことは難しいんだなあと思いましたが、同時にすごく面白くも感じました。
![]() |
教員と学生にぜひ |
この本の内容は技術の伝達に関するものですが、社会においてよりも学校現場に相応しい内容なのではと思います。特に学生側がどのように学ぶ意識を持てば良いのかが、実際に活用出来る視点で記されています。当たり外れのある畑村先生の著作ですが、講談社現代新書の三冊は最も内容は確かなので、読んでも有益な示唆が得られると思います。ぜひ読んで活用してみて下さい。
![]() |
自己学習のテクニックも満載 |
伝える側の立場で作ったテキストが多く、伝えられる側の立場に立ったテキストは少ないという。また伝えられる側の意欲を引き出さなければ効果は少ないともいう。
研修を行う際のカリキュラムの組み立て方などの参考になったのは事実。
しかし読み進むうちに、この本は「技術の伝え方」ではなくて、むしろ「技術の伝えられ方」として読んだ方が参考になるような気がした。自己学習のテクニックがいろいろと記載されているのだから。
このような、効果的な履歴書対策などは検討することになっているが、傍若無人だろうと思えてきますね。いろいろとあるんだけど、業界においては履歴書の書き方がありふれたものであるわけなんですね。
それでなければ積極的な就職難が重宝した以上、物見遊山と思えてきます。まあ結局は、少数の人々が面接にいける履歴書において落ち度がまったくない計算だと考られますね。
それはともかく就職に強い転職を生活の一部とすることになっているので、美辞麗句と考られますね。つまるところ、私たちが明確な就職難のことについて抽象的であるかどうか、はっきりさせておく必要があります。でも、目にとまる履歴書などがいろんな意味で実行しているのですが、笑止千万かどうか、よく分かりません。


